プアオーディオブログ

貧乏人がオーディオについて書くブログです。オーディオにハマっていましたが、海外で放蕩したいがため、スピーカーを除いたすべての機器を処分。この頃またオーディオにハマりつつあります。

ちょっと怪しいお店、プロケーブルのRCAケーブル

オーディオファイルなら知っている方も多いと思います、プロケーブルというお店でケーブルを買ったので感想を少し書きたいと思います。

 

満足できるDACヘッドホンアンプの環境が一通り出来上がったらケーブルを替えてシステムのレベルアップをはかるという方は多いのではないでしょうか。

私もそのうちの一人です。

私はDACとアンプを繋ぐRCA端子のケーブルをオーディオグレードのものに変更しようと思いましたが、オーディオ用のケーブルとは高いもので、エントリーモデルでも7000円、8000円しますから、買うのをためらいました。

それに、私の使っている、Mojo3.5mmステレオミニプラグなので、買える製品の幅はさらに狭まります。

そこで見つけたのがプロケーブルでした。

店主の持論が長文で綴られている、独特なサイトのスタイルにはは奇妙な魅力があります。

ステレオミニ→RCA端子の品質の良さそうなケーブルが手頃な値段で売っていたので、物は試しと購入しました。

プロケーブルとは

プロケーブルは、その名の通り、プロが使うケーブルを売るショップです。

BELDENモガミカナレといった、スタジオで使われるようなケーブルをとことんおすすめしています。

プロ用のケーブルの、音に脚色をしないフラットさが高音質の要だと信じているようです。

PRO CABLE - プロ用高性能/デジタル・映像ケーブル -オーディオ用 - プロケーブル

また、オーディオのコラムのようなものもあります。

内容はかなり過激というか極端なものですが、結構面白いです。

スピーカーやアンプも販売していますが、どれもPA用品の様でして、ホームオーディオ向けの製品ではありません。

PAスピーカーは音楽を鳴らすというよりも、拡声器的な意味合いが強いと思いますので、これをオーディオ用として売り出すのはどうかと思いますがどうなんでしょう。

 

レビュー

BELDEN88760というケーブルで制作されたMini to RCAMini to XLRを購入しました。

88760はアメリカのBELDENのケーブルなのですが、とても硬くて取り回しがしづらいです。

赤いフッ素化エチレンプロピレンで絶縁された2芯のケーブルです。

導体を包む被覆もフッ素化エチレンプロピレン、アウターもフッ素化エチレンプロピレンです。

中の導体は錫メッキ銅線で、その周りのシールドはアルミニウム、ドレイン線も導体と同じく、錫メッキ銅線です。

Analog & Digital Audio Cable - Belden

BELDEN ベルデン 88760 ラインケーブルの王者 (8412の現代バージョン)- プロケーブル

 

デザイン

見た目は質素ですが質がよく、丁寧な印象を受けました。

ケーブルはずっしりと重たく、先程の通り、硬いです。

コネクタはノイトリック製で、とても丈夫そうです。

Mini to RCAが50cmで2900円、Mini to XLRが1mで3600円でした。

f:id:spasexrom:20190123233404j:plainf:id:spasexrom:20190123233423j:plainf:id:spasexrom:20190123233412j:plain左右の区別のために”左”と書かれた紙テープが巻かれています。

分岐の部分は熱収縮チューブで巻かれ、絶縁されているようです。

NEUTRIKのコネクタやBELDENのケーブルと相まって質実剛健という印象を受けました。

値段が値段なので、高級RCAケーブルのようなラグジュアリーさはありません。

f:id:spasexrom:20190124212538j:plainゾノトーンのケーブルは青くてかっこいいので好きですが高くて買えません。



ホームページは胡散臭いですが、他のメーカーと同じく、製品に対する誠実な姿勢が伺えます。

iPhone/パソコン用ベルデン88760 ラインケーブルの王者 BELDEN(8412の現代バージョン)

 

音質

さて、音質の話です。

もとは、アンプ付属のケーブルです。

BursonAudioSoloistSL Mk2にはMini to RCAのケーブルが付属していました。 

 

システムはこんな感じです。f:id:spasexrom:20190124005556j:plain

BELDEN 88760でMojoとSoloistSL Mk2を接続しました。

【ヘッドホンアンプ】BursonAudio SoloistSL MK2のレビュー - プアオーディオブログ

CHORD Mojoを据え置き機としとてスピーカーに使う - プアオーディオブログ

 

 

聴いてわかったのは解像度の変化です。

 

元のケーブルは今回の88760に比べて音が滲んでいるように感じます。

88760ではにじみがなく、写真で言えば、かっちりとフォーカスが定まったようなイメージです。濁りのない蒸留水とたとえてもよいと思います。

SoloistSL Mk2は部品点数が少ないためか、透明感のあり、また、音に脚色をしないアンプです。

88760に変更した結果、SoloistSL Mk2の良さを伸ばす形となりました。
曖昧で感覚的な話にはなりますが、信号の劣化が少なくなったような気がします。

私が感じ取れたのは解像度に就いてのことだけで、音場が広くなった、もしくは狭くなったとは感じられませんでした。

音に脚色をせず、透明度が高く、アンプの特性を殺さない良いケーブルだと思います。

 

まとめ

プロケーブルはどこか怪しげな雰囲気がありますが、その製品はとても良いと思います。

取り扱っている製品はリーズナブルな値段で良心的です。

今回のRCAケーブルも音質の向上がはっきりと感じられてとても満足です。

他のオーディオメーカーの高額なケーブルがぼったくりだとは思いませんが、私のような低予算のオーディオファイルにはこのくらいがちょうどよいです。

一通りシステムが出来上がったあと、付属品からのささやかなアップグレードにはもってこいの品です。付属品からだと音質の向上がわかりやすく感じられるのでおすすめです。

 

【ヘッドホンアンプ】BursonAudio SoloistSL MK2のレビュー

BursonAudio SoloistSL MK2というヘッドホンアンプを購入したので、簡単なレビューを書きたいと思います。

このヘッドホンアンプは、海外では結構人気なのですが、国内ではそうでもないみたいです。

日本語のレビューが少ないのでこの製品に興味のある人の参考になれば良いと思います。

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BURSON AUDIOとは

BursonAudioは、二十年くらい前に、オーストラリアのオーディオマニアによって設立された会社です。

オーストラリアのメルボルンに拠点を置いています。

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箱にはカンガルーのロゴが描いてありました。

オーストラリアらしいです。

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www.bursonaudio.com

 

BURSON AUDIOは海外では人気があるらしく、Head-Fiではよく見かけますが、日本ではあまり人気がないようですね。

レビューも少ないです。

 

Head-Fiでは、アメリカのSchiitAudioとの比較をよく見る気がします。

話はそれますが、SchiitAudioといえばマルチビットDACで有名ですね。

現在のDACの主流はデルタシグマ型で、その殆どが信号を1bitに変換して出力するのですが、マルチビットDACは1bitに変換せず、16bitなら16個の抵抗でそのまま信号をDA変換します。

マルチビットDACは生産コストがとても高いので主流ではなくなってしまいましたが、SchiitAudio曰く、マルチビットDACこそが、真にピュアなDA変換を行うDACである、とのことです。

 

Bursonと同じく。Schiitの製品もとても丁寧にデザインされているようです。

日本に代理店がないので購入にはやや勇気がいりますが、いつか買ってみたいですね。

 

BURSON AUDIOの哲学

Bursonの哲学とはズバリ、オペアンプを排除したシンプル高音質フルディスクリート回路のアンプを手頃な価格で提供することです。

BURSON AUDIOの製品の特徴は、シンプルな回路であるということです。

Bursonによると、使用するパーツが少なければ少ないほど、音が良くなるらしいです。

この理論に基づいて、BursonAudioはオペアンプを使わず、必要な回路をディスクリートで組むという手法をとっています。

ホームページのロゴ下には、”A LAVISH MUSICAL EXPERIENCE”(贅沢な音楽体験)という言葉があります。

ホームページの随所に音質ではなく音楽と書かれていることもあって、Bursonは優れた音楽を提供したいと考えているみたいです。

どこのメーカーも同じことだとは思いますが。

 

BURSON AUDIOの製品

Bursonは普通のオーディオメーカーとは少し違います。

もちろん、ヘッドホンアンプやパワーアンプDACなども普通に作るのですが、マニアによって設立されたこともあってか、なかなかマニアックな製品も販売しています。

 

ディスクリートオペアンプというか、私達が普段目にするような、ICチップ型のオペアンプとはひと味違うものを販売しています。

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オペアンプのイメージはこれ・・・

 

BursonではSupreme Sound Components(至高の音の部品)と書かれて販売されています。

 

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普通のオペアンプと同じように使えます。

 

 

AudinstHUD-DX1に取り付けている様子です。

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Supreme Sound Opamp V5i by Burson - YouTube

 

 他社製品に組み込む例をこのように大々的に宣伝するので面白いです。

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Schiit Audio Lyr upgraded with Supreme Sound V5 Op-Amps – Burson Audio

 

上にも書いた、SchiitAudioのアンプに組み付けた例です。

Head-Fiで行われた改造のようですが、詳細はわかりません。

BursonもSchiitもHead-Fiで人気のメーカーということを示唆しています。

 

また、こちらの動画のプロジェクトにも協力している様です。

www.youtube.com

 

www.head-fi.org

 

SoloistSL Mk2の特徴

SoloistSL Mk2は、その名の通り、SoloistSLというヘッドホンアンプの二代目になります。

SoloistSLは、Soloistというプリアンプ兼ヘッドホンアンプの製品から、プリ部をなくし、ヘッドホンアンプとしての機能に特化させたモデルでした。

そのSoloistSLの改良版がこのSoloistSL Mk2です。

 

SoloistSL Mk2は高品位でシンプルなA級フルディスクリート回路が特徴です。

上記のとおり、BursonはオペアンプICなどを嫌い、回路をフルディスクリートで構築します。

当然、SoloistSL Mk2もその思想に基づいて設計されています。

 

電源にも厳重なノイズ対策が施されています。

 

デザインはシンプルというか無骨というかで、2mmのアルミニウム板を折り曲げて作られています。

A級動作は常に回路に電流を流し続けるのでかなり発熱します。

アルミニウム板をヒートシンクに見立てて、その熱を逃がすという、とても合理的な設計になっています。

 

やはり、”マニアがマニアの欲しがるような製品を作った”といった印象です。

www.bursonaudio.com

 

SoloistSL Mk2のレビュー

WindowsPCJRiverMediaCenter)にMojoをUSBで接続し、MojoからSoloistSL Mk2に入力しました。

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ヘッドホンはHD650K701を使いました。

ぜひMojoの話もきいてください。

CHORD Mojoをスピーカーに使う - プアオーディオブログ

 

良い点:手頃な価格と高い音質。音の鮮度が高く、高解像度。

 

悪い点:新品なのに傷があったりと、品質管理があまい。

 

音質

一聴して感じるのはそのパワフルさと透明感です。

 

上流のMojoは、高いSN比のため、真っ暗なバックから音がフッと立ち上がるのですが、Soloistはこの音の表現を全く損なわずに増幅してくれました。

部品点数を減らすことによって音の鮮度をあげるという発想が見事に効果を示しています。

 音の脚色はなく、ニュートラルな音です。

   Mojoは十分な駆動力があるアンプですが、不思議に横に広がるおかしな音場表現があり、また、なんとなく余裕のない、切羽詰まったような音が気になっていましたが、このSoloistSLの導入により、この2点の不満は見事に消えました。

変な音の広がりはなくなり、音はパワフルに迫力をましたものに変化します。

ボーカルには若干の艶がのり、エロティシズムな表現を得ましたし、楽器は立体感というリアリティを獲得します。

そして、HD650の特徴である深い低音が更に沈みこんで心地よく鼓膜をゆらします。

強力な電源とおおきなコンデンサがこの懐の深い音を実現しているのでしょう。

また、K701は美しく煌めく伸びやか高音が特徴です。

Soloistに一切のベールはなく、K701が美しい高音を奏でる邪魔は絶対にしません。

むしろさらに伸びやかになった気さえします。

Bursonは”SoloistSLはすべてのヘッドホンのポテンシャルを引き出せる”と謳っていましたが、それは明確な事実です。

 

きづいたのですが、A級の特徴なのでしょうか、ボリュームをあげても音が痛くないです。

 

まとめ

このSoloistSL Mk2の音質は当然ですが、同価格帯の複合機のアンプ部を軽く凌駕します。(アンプにかけられるコストが違うので本当に当然です・・・)

メーカーの謳い文句になるほどと納得してしまいました。

オカルト的要素がなく、論理的に良い音です。

さすが、マニアのためのオーディオメーカーですね。

また、メーカーの理念が製品の随所に現れていて、感心しました。

どんなDACやプレーヤーと組み合わせても、上流の良さを壊すことなく、音を増幅してくれるいいアンプです。

4万円という価格も手頃です。

しかし、製品の外見の品質管理が若干あまいようで、新品にもかかわらず、3ヶ所ほどキズが見受けられました。勿論音質に影響を与えることはないのでさほど気になるわけでもないのですが。

海外メーカーの製品に日本メーカーのような仕上げは期待してはいけませんね。

 

 

 

 

 SoloistSL Mk2 訳文

メーカーホームページの説明を訳しました。

 

 

二代目のSoloistです。

SoloistSLは基準となるような音質を小さなボディに詰め込んで、非常に手頃な価格で提供します。

A級動作のSoloistSLはプリアンプ兼ヘッドホンアンプである、Soloistからプリアンプ部を外したものです。

16Ωに2.5Wという強力な出力で、全てとは言いませんが、ほとんどのヘッドホンのポテンシャルを引き出します。

初代SoloistSLと比べて、このSoloistSL Mk2は25%強力です。

ダイナミックで洗練された中高域の、全く新しいSoloistSL Mk2を手頃な価格で提供します。

Variable Output Stage(可変出力段)

Variable Output Stage(VOS)というシステムによって、リスナーはヘッドホンの要求に合わせた出力レベルを選択できます。

VOSは、0.18Wという低い出力から、驚くことに4Wという出力まで、市場に出回るあらゆるタイプのヘッドホンをコントロールすることを保証します。

VOSは7dBから18dBの3段階のゲインを備えています。

この高い柔軟性によって、プリアンプ部では、それが低能率の密閉型エンクロージャーのスピーカーであろうが高能率のホーンスピーカーであろうが、そのアンプが低出力の真空管アンプであろうがマッスルな高出力のソリッドステートアンプであろうが、どう組み合わせても、同じように鳴らせます。

Bursonは、美しく魅力的な音を追求する上で、妥協をしません。

 

小さなサイズに高い性能を

Bursonの特大のトランスと電源装置は、アンプを純A級で動作させる電力と16Ω時2.5Wの出力を維持するだけの電力を供給します。

内部には、SoloistSL Mk2が常に2.5Wの出力をキープすることを保証する30VAのカスタムトランスがあります。

 

Soloistの電源装置は従来の設計の2倍のフィルタ段数を採用した特別仕様の雑音濾過網を中心に構成されているため、優れた雑音除去性能を持ちます。

だからこそ、Solistは真っ黒な背景から浮かび上がる美しい音楽とともに清らかで安定したパワーを届けられるのです。

 

CHORD Mojoを据え置き機としとてスピーカーに使う

 Mojoを据え置きのUSB DACとして使うために買いました。

FPGAを使ったパルスアレイDACとCHORD社のアイディアが面白かったのでつい買ってしまった感じです。

PioneerのU-05やFOSTEXのHP-A8も中古であればMojoと同じくらいの価格で買えたのですが、結局Mojoの音が一番良いと感じたのと、上記のCHORD社に対する奇妙な興味のためにMojoを選ぶことになりました。

 

 

 

 

 

なぜUSB DACを使うか

PCオーディオにおいて欠かせないものは、USB DACです。

 パソコンからも音がでますから、パソコンもDACを持っています。

マザーボードに搭載されるDACは音楽再生用ではないので低性能であり、マザーボードはノイズの塊であります。そのため、音質は劣化します。

これらの理由がための音質の劣化を防ぐために、DACノイズの発生源から離して、高性能なDACチップによって正確なアナログ変換をしてくれる、USB DACを使うのです。

  PCオーディオの音質はDACによってかなり左右されるため、DAC選びは重要なことなのです。

ですから、5,6万円前後で良さそうなUSB DACを探すことにしました。

 RMEの開発者に訊く、USB-DACの“あるべき姿”とは? - PHILE WEB

今こそ知っておきたい「DAC」の基礎知識(前編) ー その役割や関連用語を解説 (1/3) - PHILE WEB

 

据え置き型ポータブル型

USB DACには、大きく分けて2種類のタイプがあります。

それは、持ち運びを前提としない据え置き型と、持ち運ぶことを考えたポータブル型です。

据え置き型といっても、小型でUSBバスパワーによって動作するタイプの機種については言及しません。

6万円前後の予算で買える機種は、軒並み大型で、バスパワー動作のものがすくないからです。

 

ポータブル型は基本的にバッテリーによる電源供給で動作します。

電池はUSBバスパワーよりもノイズが少ないです。

ほとんどは、持ち運びを想定されてデザインされていますが、据え置きで使える製品もあります。

ChordMojoHugoiFIiDSD Microなんかがそういう部類に入ります。

しかし、アンプ部が弱く、大型ヘッドホンを満足に駆動できない場合があります。

Mojo、Hugo、iDSDはポータブルでは考えられないほど強力なアンプ部を持っていて、ポタアンで高級ヘッドホンは鳴らしきれないという定説を覆す製品だと思います。

 

両者の音質

さて、据え置き型ポータブル型はどちらが音質的に有利なのかですが、ヨドバシカメラとeイヤホンの店員さんに訊いてみました。

店員さんによりますと、据え置き機大きな電源をつんでいて、使えるスペースが広いのでノイズの面において、ポータブル機に対して優位であるとのことでした。

しかし、10万円以下の価格帯では、ポータブル機を視野に入れるのも良いとも。

10万円を超えてゆくと、そもそもポータブル機がすくなっていき、据え置き機の独擅場になります。

 すすめられて、iFImicro iDSDを視聴しましたが、据え置きのDACとして十分に使える音質だと思いました。

アンプ部のパワーも凄まじいです。

 

ポータブル機も視野に入れたところで、なにか良い機種はないかと探していきますと、

FOSTEX HP-A8”、”Pioneer U-05”、”Marantz HD-DAC-1”、”TEAC UD-501”らの評判が目にはいります。

ヨドバシでは、”Pioneer U-05”、”Marantz HD-DAC-1”をおすすめされました。

ポータブル機ですと、先程のiFImicro iDSDnano iDSDCHORDMojoHugoが音質面において高い評価を得ているようです。

 

ポータブル機か据え置き機かの先入観を排除し、上記据え置き機4機種と、Mojomicro iDSDを試聴をしました。

 

結局、Mojoの音が好みだったのでMojoを選びました。

Mojoの音もそうですが、高級オーディオメーカーCHORDへの憧れもあって、購入を決めました。

 

 

Mojoの特徴

Mojoのスペック

Mojoは非常に高いスペックのDACで、SN比はとても高く、歪み率は非常に低いです。

ほとんどの据え置きDACに負けない測定値を持ちます。

 仕様表をみるかぎり、据え置きの大型の複合機たちに負けないSN比と歪み率を持っていることが確認できます。

出力インピーダンスがとても低いので、どんなヘッドホンを接続しても、それらの影響を受けずに一定の電圧が出力されることが期待できますね。また、ダンピングファクタの良さも期待できます。

Mojo|Chord Electronics|株式会社aiuto PCパーツ・周辺機器 総合代理店

 

 

据え置きとして使えるか

ポタアンを据え置き機として使えるか、ですが、開発者の人曰く、据え置き機として使えるようにデザインしてあるそうです。

Mojoを満充電で使用するとき、バッテリー消費に合わせて電力を供給するため、バッテリーは減りません。」

とのことです。

 

MojoDAC

CHORD社DACといえば一般的なDACチップを使わず、処理能力の高い、FPGAでデジタルフィルターを動かし、そこで作られたデジタル信号をフリップフロップICと抵抗に流してDA変換する、独自のパルスアレイDACが有名です。

もちろん、MojoにもDACが搭載されています。

この方式のため、CHORD社のDACは非常に低ノイズ、低ジッタです。

CHORDの思想

CHORDの製品に対するポリシーは、大雑把にまとめますと、極限までデジタル化シンプルなアナログ回路徹底した低ノイズ、低歪み、低ジッター設計だと感じます。

デジタルでできることはすべてデジタルの領域で行い、後のアナログ回路の部分は必要最低限の部品でのみでデザインする。

その結果として、非常に低いノイズフロアやジッター、歪み率などを達成しています。

 

また、CHORD社は、高性能なFPGAWTAフィルターを走らせ、本来のアナログ波形の復元を目指しているそうです。

 

以下CHORDページより抜粋いたしました。

WTAフィルターアルゴリズムの開発には20年を要しました。

WTAフィルターは、何故高いサンプリングレートの音の方が音質が良いのかという疑問を解決します。
96kHzの録音のほうが、44.1kHz(CD)よりも高音質であることはよく知られていますが、人間の聴覚の上限は20kHzなのにもかかわらず、人々の殆どは、高音質の理由は可聴域外に含まれる音だと信じています。
しかし、768kHzの録音の方が、384kHzの録音よりも音質が良いということ、また、音質の限界がMHzの領域にあるということはあまり知られていません。
もし、200kHzを超える音域の情報が重要ならば、、768kHzの録音は無意味です。
なぜなら、単純に、楽器はそこまでの高周波の音を発さず、マイク、アンプ、スピーカー、そして私たちの耳は200kHzという周波数に対応していないからです。
では、超音波に意味がないのなら、なぜ高いサンプリングレートの音源の音は良いのでしょうか。

ヒトには超音波を聴く能力はありませんが、トランジェントのタイミングをはっきりと聴き分ける能力があります。
答えはこれです。
ヒトの耳と脳が両方の耳の間でマイクロ秒の音の位相の差を聴き分けることができるということは、長い間知られており、音のタイミングの差は、音の定位に関わります。
ヒトはトランジェントタイミングをマイクロ秒領域で認識できるので、レコーディングシステムは、1マイクロ秒の分解能を擁する必要があります。
これを実現するには、じつに1MHzのサンプリングレートが必要です!

しかし、1MHzのサンプリングレートがなくとも、それが44.1kHzのサンプリングレートであっても、デジタルフィルタリングによって正確なトランジェントを再現することができます。
デジタルフィルタリングは高いサンプリングレートを必要とせずに、分解能の向上を手助けします。
しかし、これをするには、フィルターは無限のタップ長が必要になります。
現在のすべての再構築フィルター(ローパスフィルター)は比較的短いタップです。
市販されている中で、最高のDACチップでもたったの256タップ程度しかありません。
この、短いフィルタータップ長とフィルターアルゴリズムが原因で、トランジェントタイミングの誤りが発生します。
また、ヒトはこれらのトランジェントタイミングの誤りを聞き取ることができます。
256タップから1024タップというタップ長の増加は極めて大きな音質の向上をもたらしました。
それは、とても滑らかで、より焦点の絞られた音質であり、信じられないほど深く正確なサウンドステージです。

最初の実験では、既存のフィルターアルゴリズムを使用しました。
1024タップから2048タップにすると音質は大幅に向上し、この結果は究極の音質のためには無限のタップ長のフィルターが必要であることを示唆しています。
この段階で、新しいアルゴリズムWTAフィルターが開発されました。
これは、はじめからトランジェントタイミングの誤りが最小限に成るようにデザインされています。
それによって極端に長いタップ長の必要性は低くなりました。
WTAフィルターは成功しました。
256タップのWTAフィルターは、従来のすべてのフィルターよりも優れています。
たとえ、そのタップ長が1024タップであってもです。
とはいえ、やはりWTAフィルターは長いタップ長の恩恵を受けます。
256タップと1024タップでは大きな違いです。フィルターは64bitのDSPコアを使用したFPGAに実装されています。

これは10年以上、もしかすれば20年以上前の記述かもしれません。

しかし、WTAフィルターの本質は確かに捉えられています。

 

 

トランジェントタイミングの正確さは、人の声の違いや、楽器の音色の違いを再現するにおける重要なファクターですので、トランジェントタイミングの不正確さは、声、楽器の音色や音像の定位、音源との距離感の再現の甘さを意味し、すなわち音の悪さを意味します。

WTAフィルターはトランジェントタイミングの正確さを決める最大の要因です。

 

ハイレゾ音源は可聴域を超えた高い周波数の音を記録できるから音が良いのだ”、という主張や、反対に”可聴域外の音は、読んで字のごとく、聴こえないのだからハイレゾは無意味だ”、という主張をみかけます。

私は、可聴域云々よりもハイサンプリングレートの時間軸に対する正確さが音質に寄与しているというアイデアのほうがしっくりきます。

 

 

Mojo レビュー

Mojoはとてもハイスペックです。PCM32bit/768kHzDSD11.2MHzまでと、とても高いスペックの音源に対応しています。

また、ヘッドホンアンプは強力で、SENNHEISER HD800やHD650、AKG K812といったハイ・インピーダンスもしくは低能率の高級ヘッドホンを十分なパワーで駆動できます。

ベイヤーダイナミックのT1はちょっと厳しい感じでしたが・・・

それでも、ポタアンだと言うことを考えれば驚異的です。

ライン出力モードでの出力は3Vとなり、普通のDACのライン出力よりも強力です。

PC(Windows)での再生に若干の不安定さがあります。

JRiverMediaCenterでの再生で、Kernel Streamingを選択してDSD音源を再生するとソフトが落ちるという現象に悩みました。

ASIOドライバーの導入によってPCM、DSDともに安定して再生できるようになりましたが、JRiver以外ではわかりません。

 

スピーカーでMojoを使う

スピーカーはYAMAHANS-690iiiというモデルです。

アメリカンウォルナットの化粧板のエンクロージャーで美しい見た目です。

3wayのスピーカーで、30cmの巨大なウーファーを搭載しており、そのおかげで自然な迫力の低音が楽しめます。

ソフトドーム系のスピーカーで、ゆったりとしたナチュラルな音です。

YAMAHA NS-690IIIの仕様 ヤマハ

ヤマハ – 日本

 

 

再生ソフトは音質に定評のある、JRiverMediaCenterです。

”PC→Mojo→アンプ→スピーカー”という構成になります。

 

Mojoの音質

Mojo解像度がとても高く、これまできこえなかった音がきこえてきます。

それはとても小さい音ですが、それがきこえるということはとても大切なことで、音楽を豊かにします。

 

ボーカル入りのジャズを聴きました。

音のつながりはナチュラルで、不自然なものを感じさせません。

また、音の立ち上がり消え入りがとてもリアルです。

立ち上がるときは、暗闇のステージにパッと照明が当たるように素早く、消え入るときは、残響音のリアルさに驚きます。

つまり、トランジェントですね。

ボーカルも楽器の音もかっちりと定位しています。

これが、ワッツさんのいう時間軸の正確さなのでしょう。

女性ボーカルの声は艶やかで、生々しく、そのリアルさと言ったら目を瞑ればそこにいるのではないかと錯覚するレベルです。

NS-690iiiの甘い音色とMojoの中域に重きを置いた音づくりは良く合います。

女性ボーカルの声を柔らかく魅力的に表現できています。

どちらかというと暖色系で、HP-A8U-05のようなキレのあるクールなサウンドではないです。

そのぶん、耳に心地よい音なので、ボリュームをつい上げてしまいがちです。

 

 

ところで、このMojoというネーミングデザイン音質はとてもマッチしていると思います。

Mojoという言葉は麻薬など薬物の虜になるという意味のスラングとして使用されるようですが、Mojoの独特の音質には妙味があります。それこそ、薬物的な中毒を引き起こす妙味です。

また、ボディに埋め込まれた、極彩色に光るサイケなビー玉は、幻覚剤のみせる世界を彷彿とさせます。(もちろん薬物を使用したことはありませんが)

 

まとめ

Mojoは、小型ながら据え置き機に負けない性能と、それに裏付けられた音質を持つ、素晴らしいDACです。

 

 いささか変態的なデザインの製品ですが、私はとても好きです。

意味もなくカラフルに光るCHORD社の製品には,常識にとらわれないものづくりのクリエイティビティを感じます。

しかし、その小ささゆえにオーディオ機器の持つ独特のインテリア的性質は持ちえないので、その点、心細く思います。