プアオーディオブログ

貧乏人がオーディオについて書くブログです。オーディオにハマっていましたが、海外で放蕩したいがため、スピーカーを除いたすべての機器を処分。この頃またオーディオにハマりつつあります。

CHORD Mojoを据え置き機としとてスピーカーに使う

 Mojoを据え置きのUSB DACとして使うために買いました。

FPGAを使ったパルスアレイDACとCHORD社のアイディアが面白かったのでつい買ってしまった感じです。

PioneerのU-05やFOSTEXのHP-A8も中古であればMojoと同じくらいの価格で買えたのですが、結局Mojoの音が一番良いと感じたのと、上記のCHORD社に対する奇妙な興味のためにMojoを選ぶことになりました。

 

 

 

 

 

なぜUSB DACを使うか

PCオーディオにおいて欠かせないものは、USB DACです。

 パソコンからも音がでますから、パソコンもDACを持っています。

マザーボードに搭載されるDACは音楽再生用ではないので低性能であり、マザーボードはノイズの塊であります。そのため、音質は劣化します。

これらの理由がための音質の劣化を防ぐために、DACノイズの発生源から離して、高性能なDACチップによって正確なアナログ変換をしてくれる、USB DACを使うのです。

  PCオーディオの音質はDACによってかなり左右されるため、DAC選びは重要なことなのです。

ですから、5,6万円前後で良さそうなUSB DACを探すことにしました。

 RMEの開発者に訊く、USB-DACの“あるべき姿”とは? - PHILE WEB

今こそ知っておきたい「DAC」の基礎知識(前編) ー その役割や関連用語を解説 (1/3) - PHILE WEB

 

据え置き型ポータブル型

USB DACには、大きく分けて2種類のタイプがあります。

それは、持ち運びを前提としない据え置き型と、持ち運ぶことを考えたポータブル型です。

据え置き型といっても、小型でUSBバスパワーによって動作するタイプの機種については言及しません。

6万円前後の予算で買える機種は、軒並み大型で、バスパワー動作のものがすくないからです。

 

ポータブル型は基本的にバッテリーによる電源供給で動作します。

電池はUSBバスパワーよりもノイズが少ないです。

ほとんどは、持ち運びを想定されてデザインされていますが、据え置きで使える製品もあります。

ChordMojoHugoiFIiDSD Microなんかがそういう部類に入ります。

しかし、アンプ部が弱く、大型ヘッドホンを満足に駆動できない場合があります。

Mojo、Hugo、iDSDはポータブルでは考えられないほど強力なアンプ部を持っていて、ポタアンで高級ヘッドホンは鳴らしきれないという定説を覆す製品だと思います。

 

両者の音質

さて、据え置き型ポータブル型はどちらが音質的に有利なのかですが、ヨドバシカメラとeイヤホンの店員さんに訊いてみました。

店員さんによりますと、据え置き機大きな電源をつんでいて、使えるスペースが広いのでノイズの面において、ポータブル機に対して優位であるとのことでした。

しかし、10万円以下の価格帯では、ポータブル機を視野に入れるのも良いとも。

10万円を超えてゆくと、そもそもポータブル機がすくなっていき、据え置き機の独擅場になります。

 すすめられて、iFImicro iDSDを視聴しましたが、据え置きのDACとして十分に使える音質だと思いました。

アンプ部のパワーも凄まじいです。

 

ポータブル機も視野に入れたところで、なにか良い機種はないかと探していきますと、

FOSTEX HP-A8”、”Pioneer U-05”、”Marantz HD-DAC-1”、”TEAC UD-501”らの評判が目にはいります。

ヨドバシでは、”Pioneer U-05”、”Marantz HD-DAC-1”をおすすめされました。

ポータブル機ですと、先程のiFImicro iDSDnano iDSDCHORDMojoHugoが音質面において高い評価を得ているようです。

 

ポータブル機か据え置き機かの先入観を排除し、上記据え置き機4機種と、Mojomicro iDSDを試聴をしました。

 

結局、Mojoの音が好みだったのでMojoを選びました。

Mojoの音もそうですが、高級オーディオメーカーCHORDへの憧れもあって、購入を決めました。

 

 

Mojoの特徴

Mojoのスペック

Mojoは非常に高いスペックのDACで、SN比はとても高く、歪み率は非常に低いです。

ほとんどの据え置きDACに負けない測定値を持ちます。

 仕様表をみるかぎり、据え置きの大型の複合機たちに負けないSN比と歪み率を持っていることが確認できます。

出力インピーダンスがとても低いので、どんなヘッドホンを接続しても、それらの影響を受けずに一定の電圧が出力されることが期待できますね。また、ダンピングファクタの良さも期待できます。

Mojo|Chord Electronics|株式会社aiuto PCパーツ・周辺機器 総合代理店

 

 

据え置きとして使えるか

ポタアンを据え置き機として使えるか、ですが、開発者の人曰く、据え置き機として使えるようにデザインしてあるそうです。

Mojoを満充電で使用するとき、バッテリー消費に合わせて電力を供給するため、バッテリーは減りません。」

とのことです。

 

MojoDAC

CHORD社DACといえば一般的なDACチップを使わず、処理能力の高い、FPGAでデジタルフィルターを動かし、そこで作られたデジタル信号をフリップフロップICと抵抗に流してDA変換する、独自のパルスアレイDACが有名です。

もちろん、MojoにもDACが搭載されています。

この方式のため、CHORD社のDACは非常に低ノイズ、低ジッタです。

CHORDの思想

CHORDの製品に対するポリシーは、大雑把にまとめますと、極限までデジタル化シンプルなアナログ回路徹底した低ノイズ、低歪み、低ジッター設計だと感じます。

デジタルでできることはすべてデジタルの領域で行い、後のアナログ回路の部分は必要最低限の部品でのみでデザインする。

その結果として、非常に低いノイズフロアやジッター、歪み率などを達成しています。

 

また、CHORD社は、高性能なFPGAWTAフィルターを走らせ、本来のアナログ波形の復元を目指しているそうです。

 

以下CHORDページより抜粋いたしました。

WTAフィルターアルゴリズムの開発には20年を要しました。

WTAフィルターは、何故高いサンプリングレートの音の方が音質が良いのかという疑問を解決します。
96kHzの録音のほうが、44.1kHz(CD)よりも高音質であることはよく知られていますが、人間の聴覚の上限は20kHzなのにもかかわらず、人々の殆どは、高音質の理由は可聴域外に含まれる音だと信じています。
しかし、768kHzの録音の方が、384kHzの録音よりも音質が良いということ、また、音質の限界がMHzの領域にあるということはあまり知られていません。
もし、200kHzを超える音域の情報が重要ならば、、768kHzの録音は無意味です。
なぜなら、単純に、楽器はそこまでの高周波の音を発さず、マイク、アンプ、スピーカー、そして私たちの耳は200kHzという周波数に対応していないからです。
では、超音波に意味がないのなら、なぜ高いサンプリングレートの音源の音は良いのでしょうか。

ヒトには超音波を聴く能力はありませんが、トランジェントのタイミングをはっきりと聴き分ける能力があります。
答えはこれです。
ヒトの耳と脳が両方の耳の間でマイクロ秒の音の位相の差を聴き分けることができるということは、長い間知られており、音のタイミングの差は、音の定位に関わります。
ヒトはトランジェントタイミングをマイクロ秒領域で認識できるので、レコーディングシステムは、1マイクロ秒の分解能を擁する必要があります。
これを実現するには、じつに1MHzのサンプリングレートが必要です!

しかし、1MHzのサンプリングレートがなくとも、それが44.1kHzのサンプリングレートであっても、デジタルフィルタリングによって正確なトランジェントを再現することができます。
デジタルフィルタリングは高いサンプリングレートを必要とせずに、分解能の向上を手助けします。
しかし、これをするには、フィルターは無限のタップ長が必要になります。
現在のすべての再構築フィルター(ローパスフィルター)は比較的短いタップです。
市販されている中で、最高のDACチップでもたったの256タップ程度しかありません。
この、短いフィルタータップ長とフィルターアルゴリズムが原因で、トランジェントタイミングの誤りが発生します。
また、ヒトはこれらのトランジェントタイミングの誤りを聞き取ることができます。
256タップから1024タップというタップ長の増加は極めて大きな音質の向上をもたらしました。
それは、とても滑らかで、より焦点の絞られた音質であり、信じられないほど深く正確なサウンドステージです。

最初の実験では、既存のフィルターアルゴリズムを使用しました。
1024タップから2048タップにすると音質は大幅に向上し、この結果は究極の音質のためには無限のタップ長のフィルターが必要であることを示唆しています。
この段階で、新しいアルゴリズムWTAフィルターが開発されました。
これは、はじめからトランジェントタイミングの誤りが最小限に成るようにデザインされています。
それによって極端に長いタップ長の必要性は低くなりました。
WTAフィルターは成功しました。
256タップのWTAフィルターは、従来のすべてのフィルターよりも優れています。
たとえ、そのタップ長が1024タップであってもです。
とはいえ、やはりWTAフィルターは長いタップ長の恩恵を受けます。
256タップと1024タップでは大きな違いです。フィルターは64bitのDSPコアを使用したFPGAに実装されています。

これは10年以上、もしかすれば20年以上前の記述かもしれません。

しかし、WTAフィルターの本質は確かに捉えられています。

 

 

トランジェントタイミングの正確さは、人の声の違いや、楽器の音色の違いを再現するにおける重要なファクターですので、トランジェントタイミングの不正確さは、声、楽器の音色や音像の定位、音源との距離感の再現の甘さを意味し、すなわち音の悪さを意味します。

WTAフィルターはトランジェントタイミングの正確さを決める最大の要因です。

 

ハイレゾ音源は可聴域を超えた高い周波数の音を記録できるから音が良いのだ”、という主張や、反対に”可聴域外の音は、読んで字のごとく、聴こえないのだからハイレゾは無意味だ”、という主張をみかけます。

私は、可聴域云々よりもハイサンプリングレートの時間軸に対する正確さが音質に寄与しているというアイデアのほうがしっくりきます。

 

 

Mojo レビュー

Mojoはとてもハイスペックです。PCM32bit/768kHzDSD11.2MHzまでと、とても高いスペックの音源に対応しています。

また、ヘッドホンアンプは強力で、SENNHEISER HD800やHD650、AKG K812といったハイ・インピーダンスもしくは低能率の高級ヘッドホンを十分なパワーで駆動できます。

ベイヤーダイナミックのT1はちょっと厳しい感じでしたが・・・

それでも、ポタアンだと言うことを考えれば驚異的です。

ライン出力モードでの出力は3Vとなり、普通のDACのライン出力よりも強力です。

PC(Windows)での再生に若干の不安定さがあります。

JRiverMediaCenterでの再生で、Kernel Streamingを選択してDSD音源を再生するとソフトが落ちるという現象に悩みました。

ASIOドライバーの導入によってPCM、DSDともに安定して再生できるようになりましたが、JRiver以外ではわかりません。

 

スピーカーでMojoを使う

スピーカーはYAMAHANS-690iiiというモデルです。

アメリカンウォルナットの化粧板のエンクロージャーで美しい見た目です。

3wayのスピーカーで、30cmの巨大なウーファーを搭載しており、そのおかげで自然な迫力の低音が楽しめます。

ソフトドーム系のスピーカーで、ゆったりとしたナチュラルな音です。

YAMAHA NS-690IIIの仕様 ヤマハ

ヤマハ – 日本

 

 

再生ソフトは音質に定評のある、JRiverMediaCenterです。

”PC→Mojo→アンプ→スピーカー”という構成になります。

 

Mojoの音質

Mojo解像度がとても高く、これまできこえなかった音がきこえてきます。

それはとても小さい音ですが、それがきこえるということはとても大切なことで、音楽を豊かにします。

 

ボーカル入りのジャズを聴きました。

音のつながりはナチュラルで、不自然なものを感じさせません。

また、音の立ち上がり消え入りがとてもリアルです。

立ち上がるときは、暗闇のステージにパッと照明が当たるように素早く、消え入るときは、残響音のリアルさに驚きます。

つまり、トランジェントですね。

ボーカルも楽器の音もかっちりと定位しています。

これが、ワッツさんのいう時間軸の正確さなのでしょう。

女性ボーカルの声は艶やかで、生々しく、そのリアルさと言ったら目を瞑ればそこにいるのではないかと錯覚するレベルです。

NS-690iiiの甘い音色とMojoの中域に重きを置いた音づくりは良く合います。

女性ボーカルの声を柔らかく魅力的に表現できています。

どちらかというと暖色系で、HP-A8U-05のようなキレのあるクールなサウンドではないです。

そのぶん、耳に心地よい音なので、ボリュームをつい上げてしまいがちです。

 

 

ところで、このMojoというネーミングデザイン音質はとてもマッチしていると思います。

Mojoという言葉は麻薬など薬物の虜になるという意味のスラングとして使用されるようですが、Mojoの独特の音質には妙味があります。それこそ、薬物的な中毒を引き起こす妙味です。

また、ボディに埋め込まれた、極彩色に光るサイケなビー玉は、幻覚剤のみせる世界を彷彿とさせます。(もちろん薬物を使用したことはありませんが)

 

まとめ

Mojoは、小型ながら据え置き機に負けない性能と、それに裏付けられた音質を持つ、素晴らしいDACです。

 

 いささか変態的なデザインの製品ですが、私はとても好きです。

意味もなくカラフルに光るCHORD社の製品には,常識にとらわれないものづくりのクリエイティビティを感じます。

しかし、その小ささゆえにオーディオ機器の持つ独特のインテリア的性質は持ちえないので、その点、心細く思います。